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「エンジニアとしての生き方」の講演会に行ってきた

技術 読書

4月24日に開催された中島聡さんのサイン会 & 講演会に行ってきた。
遅ればせながら、お話にあったウェブでのセルフブランディングのためにも、まとめておく。
http://bit.ly/hYzutr

以下にustreamのアーカイブもありました。
http://www.ustream.tv/recorded/14242024

形態としては、UIEジャパンの古志野氏(@Cossy)がインタビュアーとなって色々な質問を投げかけて、それに中島さんが答えていくという形式。
以下、印象に残った部分のメモ。


Q:中島さんは自分をどのような肩書きで表しますか?「プログラマー」、「企業家」etc..
A:ブロガー。それなりに実績を積んできたけれども、それだけでこれだけの人に知られることはできなかったし、実際に素晴らしい実績を残しながら埋もれてしまっている人もたくさんいる。自分はブログを書いていたことで、これだけの人に知られ、また、そこで生まれた信頼関係から、今回のような出版の話をいただいたり、アプリをリリースした時には初期段階から多くの人にリーチしてダウンロードしてもらうことができた。そういう風に考えると、やはりブロガーがふさわしいと思う。



Q:新卒で所謂レールに乗ってNTTの研究所に進んだことに関して
A:今考えれば、アスキーに入るべきだったんだろうけど、当時は、せっかくの権利を使いたいという思いに加えて、アスキーに入ってやるもんかというような思いもあった。また、NTT研究所にいたという肩書に相手が食いついてビジネスで役立ったこともあるので、一概にNTTを批判するのは卑怯な気がする。(その後、NTT時代のあり得ない話をいくつか。。)


Q:今のMicrosoftと当時(80年代後半から90年代頭くらい)のMicrosoftは違いますか?
A:違う。当時のMicrosoftのような会社を作れれば、何をやっても成功するだろうなと思うくらい凄かった。小さなプログラミングの判断も極論すれば会社の経営判断とつながるものだが、中間層の人たちがビルゲイツの思想を見事に理解しており、何事も判断が早くぶれも無いので、仕事をしていて楽しかった。自分個人に関しても、人が遅れてる部分のヘルプとして+αの仕事を振られても、よし、やってやるぞという嬉しい気持ちになれた。
Microsoftが変わっていってしまったということに関しては、何が悪いというわけではなく、「全てのコンピュータにGUIを搭載する」という会社のビジョンが達成された後、次のビジョンを示すことができなかったという面が大きいと思う。
なお、今、UIEとTOYOTAでやっているカーナビプロジェクトにMicrosoftも参加したが、そこでMicrosoftはOSに対するこだわりを一切見せず、クラウドでやっていくという姿勢を明確にしていたので、これから復活していくかもしれないと思ってもいる。


Q:Microsoftを辞めたきっかけ
A:Webベースのofficeを作るというプロジェクトを立ち上げたが、IEのみで使えるようにしたいという意向からActive X搭載になっちゃったり、officeチームからストップがかかって、結局officeでは出来ないことをやりましょうみたいな、何だかよく分からないプロジェクトになってしまったという経験。。
あと、人材流出に歯止めをかけるためのMTGがビルゲイツと行われ、そこで、ビルゲイツに対して「5年後の未来など予測できないので、3人で6ヶ月のようなスピーディーな仕事をしたい。」というような提案をしたら、「そんな仕事はどこででもできること。しかし、1000人の人員を投入して5年がかりのプロジェクトを行うことはMicrosoftでしかできない。」と一蹴されてしまった。
そんなこんなで辞めてしまったわけだが、実際にMicrosoftを飛び出した人たちが5年間に生み出した価値(お金)とMicrosoftが5年間に生み出した価値を比較すると、一人頭に換算しても、Microsoftのほうが多いわけで、経営という面から考えると、そのやり方が正しかったのかもしれない。


Q:ベンチャーを興した理由、興してからの経緯
A:一時、投資アドバイザーのような仕事をしていて、半年くらい、数多くのスタートアップの企画を見て×をつけまくってるうちに、自分のほうがもっといいものが出来ると思い立った。
ベンチャーキャピタルから資金を入れてもらったが、彼らは10個の会社に1億円投資したとして、それぞれが2億、3億になることを期待しているのではなく、1つでもいいから100億の会社が生まれることを期待している。そのため、最初に資金を入れたあとは経営の拡大を求め人材をどんどん採らせるが、継続的に資金援助してもらえるのは100億になる目があると判断された会社だけで、その目がなくなったと分かると、追加投資も行わず、人材の削減を求めてくる。
UIEは100億のほうに入れなかったので、上からそういうプレッシャーもありつつ、働いてる人達は何だかんだ言っても雇われ人なので、給料削減などには強い抵抗があり、板挟みになってしまい、経営者としての孤独を味わった。その後、別の投資会社から資金を入れてもらったりしながら生きながらえて、スクウェア・エニックスとの買収話が持ち上がった時、自分としては売る気はなかったが、周りのだれもが売ることに賛成だった。当時の営業の責任者は営業行為をやめて、そのとりまとめに関する仕事ばかりやったり。。そんなこんなで売却することとなった。
(その後、また色々あって今の形へ)


Q:iPadの脱flashに関して
A:個人的には賛成。HTML5などを使ってブラウザの機能だけでアプリでできることは全てできるようになっていってもらいたいと思っている。


Q:電子書籍に関して
A:今の電子書籍は紙の本のデータを電子化しただけであり、これが完成形だとは思っていない。ネットワークにつながっているからこそ出来ることというのがあるはず。


Q:凄いと思ったプログラマはいますか?
A:人というよりは、コード自体に感動することが多い。(確か)windows3.0の描画部分のプログラムを観た時にはほんとに感動した。


色々とためになりましたが、特にMicrosoft時代の話は印象的で、自分のキャリアを考える上でも凄くためになる内容だったと思います。
辞める前に今の会社で頑張れみたいな話はよくあるし、そういう面も大事だとは思うけど、規模などによって企業というのは変わっていくものなのだというのを、腹落ちする言葉で聞くことができた。会社選びにあたっては自分のやりたい事に加えて、会社の段階というか立ち位置というかをしっかりと見極めていくことが大事なんだと改めて認識。
そういえば、今日も昔のグーグルは良かった的なTechChrunchの記事(1999年ごろのGoogleの全社会議–みんなが最高にハッピーだったあのころ)が出てた。これもそういうことなんだろうな〜。

中島さんのブログのUIEの求人情報を見たけど、面白そうな仕事だな〜。
そして、話の中でTOYOTAと組んでカーナビ事業に参入予定みたいなことを仰っていたので、競合にあたる。。恐ろしくもあるけど、同時に、ある程度完成された感のあるナビゲーションの世界にどういう切り口で、新しいおもてなしを持ち込んでくるのか、楽しみだったりもする。

しっかし、若いうちにアメリカって行ってみたいな〜。何か、日本企業は云々みたいな話はいっぱい聞くので、アメリカがなんぼのもんじゃいと言いたいけど、やっぱり完敗しているという悔しさもありつつ。


本も面白かった。(ほぼブログの内容ですが。)
そして、最後のサインはiPadにしてもらった。ムフフ。

エンジニアとしての生き方  IT技術者たちよ、世界へ出よう! (インプレス選書)

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この本もいい加減読まなきゃな。

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

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