「人を助けるすんごい仕組み」 by 西條剛央さん を読
[読書][その他]「人を助けるすんごい仕組み」 by 西條剛央さん を読んだ
ほぼ日刊イトイ新聞 - 西條剛央さんの、すんごいアイディア。 と ほぼ日刊イトイ新聞 - 西條剛央さんのその後とこれから。を読んだことがあって凄いな〜と思っていたのと、
本書の印税全額と、ダイヤモンド社の売上の一部を「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を中心とする東日本大震災の復興支援活動に寄付させていただきます。
ということだったので、あまり考えずにポチったのだけど、ほんとに凄い本だった。凄すぎて、中々吸収しきれなかったので既に3回読み直した。今後も何回も読み直すことになると思う1冊。
自分がいい!と思ったのは、震災という特殊な状況がもたらした何らかのモチベーションをベースにこういうことをしたぜ!(勿論、そういうのも凄いけど)という話だけでなく、構造構成主義という(ぱっと聞いた感じはあまり近寄りたくない、、)学問がベースにあり、それを震災支援という、ある意味、極限状態の中で実践したという話で、理論と実践に関しての話のバランスが良く、普段の仕事や家庭で、物事を進める時に活かせそうな要素がたくさんある所。自分はITの開発の仕事をしていますが、かなりグサグサきました。
以下、よみながら付箋つけた所の一部と思ったこと
##前半は震災の話が多いですが、この部分だけ見ると震災とかボランティアとか関係なく、むしろ仕事の進め方本みたいな感じに見えたりします。
P.161
「ある特定の状況」のもとで「ある目的を達成する手段」のことを「方法」と呼びますが、これって定義上「例外」がないんです。ようするに、考えればいいポイントはふたつしかない。それは「状況」と「目的」です。今はどういう状況で、何を目的にしてるのか
P.202
原理というのは、それに沿ったから必ずうまくいくというものではないが、それから外れると必ず失敗するものなのである。そのため「状況」を捉え損ねると、必ず失敗してしまうのである。だからこそ「現場」に行き、その状況を肌で感じてくる必要があるのだ。
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」を論理的に説明すると、こういうことなのかなとww。自分も何か方法を適用する時は必ずこの2つを意識して取り組むようにしなければいけないなと思った。
P.209
「きっかけ」(契機)に応じて(相関的に)関心のあり方も強度も変わる
いいアイデアや改善案もただ言えばイイってもんじゃなくて、相手が関心を持つようなきっかけを作ったり、そのタイミングが訪れるのを待ってさっと差し出すのがいいということかなと。この年になって、何となく感じるようになってきていたことを上手く言葉にしてもらった感じ。
P.225
トラブルを減らすための7か条(項目のみ抜粋)
(1)質問は気軽に、批判は慎重に
(2)抱えてから揺さぶる
(3)集中攻撃に見えるような言動は慎みましょう
(4)初めての参加者も見ています
(5)電話や直接会って話しましょう
(6)休むこと
(7)被災者支援を目的としている人はすべて味方です
P.237
同じ「被災者支援」を目的としているのにこうしたすれ違いが起きてしまうのであろうか?いまなら、そうした現象を「契機相関性」と「関心相関性」の2つで次のように説明することができる
(中略)
こうして、善し悪しの判断基準となる「関心」がいつのまにか異なってくるが、そのことにも気づけないために、議論そのものがズレてしまう。
会社では色んな立場の人がいて中々上手く物事が決まらないことがありますが、一般論に落とすとこういうことなのかなと。だからこそ、会社のミッション(=方法論でいう所の"目的")を皆で深く共有することが凄く大事なんだな〜と思った。(若い頃はそんなの意味ねーよとよく思っていたけどww)
P.261
どうしても自分ががんばってやっていると、他の人にもなんでもっとこうしてくれないんだ、とか思ってしまうのもだけれど、ボランティアってのは無償で奉仕してくれているわけだから、ほんの少しでも何かしてくれたら感謝しなきゃいけない。
夫婦間でよく陥りがちな部分なので気を付けないとww。さり気なく嫁にも読ませたい所(笑)。仕事に関しては無償ではないけど、一緒に仕事をしている人に対しては自分が給料払っている訳でもないし、やっぱ楽しく仕事するには、こういう感覚は絶対に忘れてはいけないな〜と。
P.261
その人の存在(being)を認めることを前提としたうえで、行為(doing)の結果(output)も適切に評価できるようにすること
自分の年次が上がってくるにつれて、"デキる"とか"デキない"を基準に人を見てしまうことが増えたような気がするので、この部分を読んでちょっと反省。自分のことを思い出しても、この先輩/上司に認められたいというのがモチベーションになって頑張ったりする時期もあったので、outputを増やすためにもbeingを認めるという視点は絶対に必要だよな〜と。
そして、"おわりに"の最後が、
そして本書を読んで、少しでも心が動いたあなたも、何かに呼ばれているのかもしれない。あなたがその心の声に耳を傾ける機会になれたなら、本当にうれしい。
となっていた。ということで、ふんばろうに寄付という形もありますが、自分は、ほぼ日で存在を知ってからちょいちょいチェックしつつも、うだうだと悩んでいた↓への寄付+投資をしてみました。
セキュリテ被災地応援ファンド | 「セキュリテ」 ミュージックセキュリティーズ
この本やほぼ日の連載を読んだり、カンブリア宮殿(ヤマト運輸や、最近だと銀だこのホットランド などなど)を見ていて、"仕事"の大事さであるとかをほんとに色々考えさせられていて、セキュリテに投資という形で参加することで、今後、そのことに末永く向かいあっていくいい場にもなりそうだなと思ったり。
人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
- 作者: 西條剛央
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こっちも購入済みですが、まだ未読
- 作者: 西條剛央+ふんばろう東日本支援プロジェクトおたより班
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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