G-コンテンツワールド
6/22開催のG-コンテンツワールドに行って来た。今更感は気にせず、そのメモをまとめた。
http://g-contents.jp/2012/top.htm
## 資料は電子データの共有はなく、まさかの紙冊子を1000円で販売 & 無断転載禁止という。。オープンデータの講演もあったのに、、、
全体の感想として、
・IMES+準天頂衛星という日本発の技術の実用化に向けた動き
・ログを解析するための基盤の整備、コモディティ化
・スマートフォンの普及を図りたいキャリア
・(日本においては)発達した公共交通網のIT化推進
など、ジオ界自体は技術的にもビジネス的にも色んな新しい要素が絡み合っていて、これから、もっとホットになっていく分野なのかな〜と(希望的観測も込めて)感じました。
翌日のジオメディアサミットは"最近、こういうサービス出しました"という話だったのに対し、この日の話は、"これから、こういうことができるようになっていくます"という感じだったので、数年後のジオメディアサミットでは、この辺の話がばんばんカジュアルに熱く語られるようになったりするのかな〜と。
みちびきとIMESによる屋外屋内シームレス測位 @北海道網走監獄博物館 ソフトバンクモバイル 長瀬様
- みちびき
- 2010/9 に打ち上げられた
- QZSSという信号
- 今のスマフォはみちびきの信号は認識できない設定になってる。
- 米国政府の許可が必要www
- IMES
- GPSと同じ信号を使って位置情報を送る
- ふらっと案内
- スタンプラリーのアプリ。
- みちびき+IMES版で利用するユーザと、GPSで利用するユーザを準備し、実証実験を行った。
- Why 網走監獄?
- 広いので色んなテストがしやすい。
- 色んな建物があり、様々な条件が試せる。(鉄筋、木造、鉄格子、天井の低い部屋、高い部屋 etc..)
- 高い塀があるから機器の持ち出しが防げる。
- その他条件
- 参加者への事前説明は最小限にした。
- IMESは悪条件になりそうな所をあえて選んだ。
- 干渉が発生しそうな所
- NASAとの約束でIMESの電波が屋外に漏れだしてはいけない。
- 詳細は資料を参照。
- 結果
- GPSは約30mの位置のずれがあった。みちびきは35cm。
- みちびき+IMESで大きな問題は無かったが、何点か課題が浮かび上がった。
- 内から外への切り替え、外から内への切り替えに10秒程度のタイムラグがあった。(IMESはNASAから許可をもらって使っており、屋外に信号がもれてはいけないという条件がある。)
- みちびきの精度に地図が追いつかず、地図が使い物にならなかった!
- 鉄格子の部屋では信号が輻輳
- 今後、必要なこと
- 受信機の高速化。
- 受信判定ロジックのブラックボックス化。
- メッセージの標準化。
- 観光での利用に向けて
- 人の動きは対角線上に広がる。40分から80分で人の流れが止まる。
- 受信機がGPSとみちびきで、取得数に大きな差があることが分かった。
- みちびきでは一筆書きのような移動になるが、GPSではスタンプ周辺でぐるぐる回ってしまう動きが見られる。
⇒高精度な位置情報を提供できることで、人の回遊につながる。正確な情報は人の動きを変える。
- 夏の網走はお薦め(宣伝)
- ウニの季節
- 今行ってもスタンプラリーができる(らしい)。
- 新産業創出、輸出を目指そう!
- 経済産業省のレポートが出てる。
- IMESは日本発の技術であり優位性がある。
オープンデータによるビジネス創出 三菱総研 村上様
- オープンガバメント
- データの活用とは?
- データ=加工されていない生の記憶。取得における条件が明らかであることが大切。
- 情報=データを何らかの文脈で解釈したもの
- 知識=情報を秩序、統計だてたもの
- ハンス・ロスリングのプレゼン
- データを元にした優れたサービス、使い方
- ナビタイム
- 宝水ワイナリー
- 各ぶどう園が気象情報を研究所に提供。
- 研究所は提供されたデータを元に、害虫の発生を予測し、結果をフィードバック
- 医療がオープンデータを一番活かせそう。
- ex.糖尿病の予防。年間一兆円の国庫負担!
- オープンデータ推進のための環境整備とは?
- データの入手にかかる時間、費用、手間を最小限にする必要がある。
- 公開されてない場合
- 公開ルールがないために公開が拒まれる場合がある。(色んな自治体に○○のデータ下さいといっても一律のルールが存在しないため、対応がまちまち。)
- 公開されている場合
- 使いづらいフォーマット、ライセンス
街なかでの想いの収集と活用 国立情報学研究所 相原さん
- 課題
- 地域経済の低迷
- 目的来街の増加に伴う街なかの回遊行動の低下。
- 情報学のパラダイム
- computing machineryの確立→サイバー世界の探求→サイバーとフィジカルの融合
- スマートフォンという存在
- ポータブルなPC
- 利用者に同伴する通信機能付き多機能センサー
- 車もセンサーと考えられる。probe car。
- 情報発信を通じて、人自身が意思を持ったセンサーになってる。(電車遅れてる、ここ混んでる etc...)
- 場所も起こっていることを忘れなくなる。
- カメラ、様々な動体の追跡。
- 本質的課題
- すべてのデータを収集できるわけではない。
- 収集したデータは不完全。単純に処理してもダメ。
- 処理して意味ある所まで、整形/クレンジングすることが重要。
- 街を題材にした取り組み
- 来て楽しんでもらえる街へ
- 東急電鉄×NII
- それぞれのニーズ
- 消費者 = 自身の求める/適した情報が欲しい
- 地域事業者 = 街のリアルな様子を知りたい
- サービス事業者 = 種類の異なるログを統合的に扱いたい。
- 街なかでの行動、体験を向上させる
- 能動的な情報取得 vs 受動的な刺激
- 情報の選別に加えてタイミングが大事。
- 送り手、媒体、受け手の三者のステータスにより、情報の受け取られ方が変わる。
- pin@clip
- ニコトコ。
- それぞれのニーズ
- 情況をセンシングしたい。
- 人の心的な状態を加えた情報。
- 向こうからの発信の解析だけでなく、環境(サービス)提供側からの働きかけをして、そのフィードバックをもらうことを考えている。
- 感情の円環モデル
- 覚醒−眠気
- 不快−快
- 働きかけによる街なか体験の向上
ドコモが取り組む位置情報サービス
大半はサービス紹介だったので略。。
- モバイル空間統計
- ユーザの位置情報は運用データとして利用してきた。電話回線やネットワーク通信の維持のため。
- 最近になり、6000万契約のデータは別の価値もあると考え、現在、統計処理したデータがどのように利用出来るかを研究中。東京大学と連携したりしている。
- 軽井沢の観光につなげるための動態調査の案件を受注。(最後のパネルディスカッションでの情報)
ICTを活用した位置情報サービス フロンティアサービス研究所 課長中川様
- フロンティアサービス研究所に関して
- 40名ほどの研究開発チーム
- 情報デザイングループに所属
- ITかかし
- 山手線トレインネット
- 乗車体験の向上、新しいビジネスチャンスの導入。
- 社内ディスプレイ用の情報を途中で抜いてweb経由で配信する感じ。wimax網を利用。
- 社内の温度、混雑度を可視化したのが反響が大きかった。
- ブレーキ制御のため、車重は常に計測しており、それをもとに車内の状態を可視化した。
- 一ヶ月間、一編成で実験を行った。
- アプリダウンロード:1万7千件程度。
- ブラウザ表示も可で、約3万UU。
- 車内状況が一番アクセスが多かった。
- Smart station構想
- 未来の駅を考える実験施設をさいたま市に作っちゃった。
- もうすぐ出来て二年になる。
- 情報プラットフォームの構築をしたい。
- JRがデータを吸い上げて、各事業者への情報提供を考えている。
あと、部屋を出たとこにあるブースを何個か回ったのですが、LISRAというのが面白そうでした。
http://lisra.jp/
http://www.facebook.com/lisra.jp
駅.Locky を手掛けた名古屋大学の河口教授(大学で作られたことにビックリ! + データがボランティアで集められているというのもビックリ!)が、その経験を元にNPOを設立し、ジオ系の色んなデータのハブ的な存在を目指すという構想。GEOアクティビティフェスタのプレゼンテーションで最優秀賞にも選ばれたそう。開発環境自体はどんどんオープンにチープになってるのに、データはclosedなままの部分が多いですが、そこにがつんと風穴を開けてくれるかも!?色々、課題があることはボクでも分かりますが、是非頑張ってもらいたいな〜と。